新たにはじまったワンストップ・サービスってなに?

平成21(2009)年11月30日、全国77ヶ所のハローワークでワンストップ・サービス・デイが開催され、全国で約2400人の方が相談に訪れました。ワンストップ・サービスについて紹介します。

ワンストップ・サービス・デイは、政府の緊急雇用対策本部に設置された「貧困・困窮者支援チーム」(事務局長・湯浅誠内閣府参与)が、平成20(2008)年の「年越し派遣村」を繰り返さないため、ハローワークの行っている職業相談、自治体・社会福祉協議会が行っている住宅・生活支援貸付制度の相談、さらに多重債務、心の健康相談を1ヶ所でできるように試験的に実施したものです。政府は、今後定例化をすすめるとしています。
湯浅誠さんは、11月20日に開催された全労連結成20周年記念大会の対談で、ワンストップ・サービスの目的を「いちばんのメインは雇用保険と生活保護の間にある第2のセーフティーネットを、ひとつの窓口でまとめて対応できるようにするということです。第2のセーフティーネットというのは、訓練・生活支援給付、就職安定資金融資、住宅手当、生活福祉資金、臨時特例つなぎ資金などの制度なのですが、この第2のセーフティーネットがほとんど知られていないという問題があって、これを普及していくことと、この窓口が個々バラバラなのでそれをまとめるということが一つの目的です。」と話しています。

ワンストップ・サービスには課題もあるようです。ワンストップ・サービスでは、生活資金、生活保護については相談者が居住する自治体、社会福祉協議会が担当します。自治体の中には、生活保護世帯が増える(自治体の負担が増える)ことへの警戒から、ワンストップ・サービスへの参加に消極的な自治体もあるようですし、準備不足を心配する社会福祉協議会、自治体の担当者もいます。
もうひとつの課題は、ワンストップ・サービスが、窓口でのたらいまわしをなくすことが目的であるにもかかわらず、全体の施策に熟知している人材が少ないため、相談者は複数の担当者をたらいまわしにされる点です。さらに生活資金、生活保護については改めて社会福祉協議会、自治体に行くという手間が必要です。
また、開催日の告知は方法、開催場所、常設化という課題もあります。

●ハローワークによって異なりますが、基本的には次の事項の相談ができます。

 (1)職業相談、職業紹介(実施機関:ハローワーク)
 (2)職業訓練の受講あっせん、訓練期間中の生活資金の給付の相談・手続(実施機関:ハローワーク)
 (3)住宅入居初期費用等の貸付の相談(実施機関:ハローワーク)
 (4)求職中の方が利用できる公営住宅等の情報提供(実施機関:ハローワーク)
 (5)住宅手当の相談など(実施機関:地方公共団体)
 (6)生活保護の相談(実施機関:地方公共団体)
  ※ 生活保護については、原則として相談のみ。
 (7)生活福祉資金(総合支援資金)の貸付の相談など(実施機関:社会福祉協議会)
 (8)心の健康相談(実施機関:保健所、精神保健福祉士協会、臨床心理士会など)
 (9)多重債務の相談など(実施機関:弁護士会など)
 (10)総合労働相談(実施機関:労働局、労働基準監督署)

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