現場コラム【新人、介護の仕事奮闘中】 -4-
最初の仕事はレクリエーションの補佐
入職してからの主な業務のひとつが、レクリエーションの準備と実施です。介護資格者証が来るまで、訪問介護職員として高齢者に直接触れる業務には携われないので、「リハビリテーション」名目のいろんな“遊び”の補佐が役目です。
レクリエーションは毎日、午前・午後とそれぞれ一回ずつ行われます。参加、不参加は入居者の自由です。午前中は館内の大型モニターを使用した体操です。約1時間程度、車いすに座っていてもできる体操を行います。だいたい入居者の半分くらいの方が参加します。週に一回、会社が契約しているスポーツクラブから、インストラクターの綺麗な女性が来て2時間程度エアロビクスを行います。この時はほぼ全員の方が参加されます。
午後は、昼食後1時頃から4時頃までが「レクの時間」として割り当てられています。頭を使うゲームや遊び(トランプ・間違い探し・折り紙・漢字書き取りなど)と、身体を使うゲーム(風船・輪投げ・ペットボトルなどを使用した安全な遊び)などを行います。みなさんが穏やかな高齢者とは限らず、対抗意識が強く性別に関係無く結構盛り上がります。勝敗や優劣が結果として出てしまうので機嫌を悪くする方もいますのでそれなりに気を使いますが、認知症なのですぐ忘れてしまうため後々まで尾を引きませんからその辺は楽です。
レクリエーションのときも、福祉系の大学や地元の高等学校から研修やボランティアで女子大生や女子校生が毎月来館します(なぜか女の子が多い)。学生の方はいろいろ出し物を考えて来てくれるので、私も楽しみながら勉強をさせて頂いています。
レク以外の業務としては清掃作業が有ります。認知症の問題行動の一つとして「物を隠す」があります。館内のいろんな場所に自分の物や他人の物を隠して回ります。清掃をしながら見つけて、所在の分かる物は個人に返します。失禁した紙パンツや尿取りパットを隠す方もいます。廊下や部屋の片隅におしっこをして回る方もいますので、掃除をしながら隠した物を見つけ出したり、床にシミが出来ていないか確認しながら回ります。自立とはいえ認知症の方なのでやはり普通の高齢者とは違います。初めは抵抗がありましたが、毎日していると慣れて来てしまいました。
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