現場コラム【新人、介護の仕事奮闘中】 -1-
離職から介護の仕事に就くまで①

中高年の仕事探しに立ち塞がる年齢の壁。

2009年9月30日に離職しました。出版流通の会社に勤めていましたが業績が著しく悪化、私自身頸椎の手術をしたことも退職のきっかけでした。家族のことを考えると不安はありましたが、心身ともに余裕がある間に再就職活動を行った方が賢明と考え退職することにしました。退職後、術後のリハビリを兼ねて家人の故郷(沖縄)に行ったため、ハローワークや社会保険事務所などの各種手続きが遅くなってしまいました。退職直後はまったくの放電状態で、再就職活動についてもけっこう楽観視していたわけです。離職後の各手続きは早く終了させないと、失業受給金の受給が遅れることを良く理解していなかったため、自己都合退職による3ヶ月間の給付制限もあって、最初の失業給付金を受給するまで約4ヶ月かかってしまいました。
離職直後の就職活動は、出来るだけ前職の経験を活かせる業種を探して応募の対象としましたが、応募できる企業が少ない、応募条件のハードルが高い、臨時雇用が多いというのが実情でした。結果的に前職に関連する業種は3社に応募し不採用になって諦めてしまいました。その後は、職種のジャンルを問わず「年齢不問」の求人に多数応募しました。「20代・30代が多数活躍中」や「女性が多くガンバッテいます」などのキャッチコピーは、暗に「中高年男性の応募は遠慮してください」の意味であることに気がつくまで少し時間がかかりました。
募集企業の求人内容を読み込んで応募を繰り返すことになりますが、「経験不問」の求人でも「例外事由3号のイ(※)」が付記されていて年齢の壁を痛感。人材銀行やWEBの企業スカウトは「フルコミッションの営業職」がほとんどでした。また、二次面接まで行った物流会社の営業職では「前職の取引先を何社引っ張って来られます?」と質問され、求人募集を出しているものの、顧客誘引を前提にしていることがあまりにも露骨に感じられて、やるせない気持ちになったこともあります。結果、自分で何か始めなければ期待する収入を得られないと考えるようになりました。
離職後半年を過ぎる頃には、家内や子供も言葉には出さないが、収入面の不安を抱くような感じになり、近所のパパ友も仕事の話に触れないようになって来ているのが感じられました。家に居ることや近所の人に会うのが億劫に感じ、早く就業先を見つけるか、何かを始めなければと焦りが強くなっていきました。

※例外事由3号のイ ‐ 長期勤続によるキャリア形成のため若年者を採用する場合

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